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“自称物書き”のブログ

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赤い靴


さちこちゃんの履いていた赤い靴


 小学三年生の頃の話だ。
 同じクラスにさちこという名前の女の子がいた。
 読みこそ思い出せるが、どういう字を書いたかまでは思い出せない。
 少女の家は母子家庭だったらしく、家庭の財政は破綻していたそうだ。
 さちこはクラスの中にいても常に一人だった。
 その身なりは奇麗とはいえず、同じ服装で数日過ごすことも珍しくなかった。
 小学生というころは多感な頃だ。
 あらゆるモノに反応し影響され、多数決というわかりやすい判定方法に従事する。
 さちこが一人でいるのではなく、一人にされるのにそう時間はかからなかった。
 クラスメイトからのいじめは、日を追うペースを超えてひどくなっていく。
 ある時、いつも暗かったさちこが少しだけ嬉しそうにして登校した日があった。
 クラスメイトはそんなさちこに興味を持ち、その感情がなにを起因としているのかすぐに知れ渡った。
 さちこは、真新しい赤い靴を履いていたのだ。
 そして、それをクラスメイトは良しとしなかった。
 適当な理由をつけて居残りをさせると、さちこの下駄箱からその赤い靴を盗み出して校舎裏にあった鯉を飼っている池に捨てた。
 何人かで下駄箱を見張っていると、暗いながらも少しだけ嬉しそうな顔をしたさちこが歩いてきた。
 廊下の影でその光景を笑いを堪えて見ていると、さちこが下駄箱を開けた。
 















 下駄箱の中には、真新しい赤い靴がそのままあった。
 実働部隊は隠せなかったのだ。
 そもそも、さちこへのいじめはそれほど陰湿なものではなかった。
 給食のとき机を着けなかったり、近くで臭いというぐらいのものだ。
 物を隠したり、暴力をふるったりはしなかった。
 さちこは優等生だった。
 身なりこそ貧乏なのだが、成績は優秀でクラス委員。
 さちこは笑うととてつもなく可愛かった。
 他のクラスの男子からも人気があり、小学生にしては異例のファンクラブさえもあった。
 そんなさちこだからこそ、自意識過剰な女子達が微妙に目の敵にしていた。
 が、女子の集団意識というものはかくも恐ろしいもので、
「あの女ほんとむかつく、少し頭がよくてちょっと可愛いぐらいで!」
 という女子グループのリーダー。
 正確には、
 かなり頭がよくて、女子グループのリーダーの十五倍は美少女(当社比)だ。
 男子と、そのグループ外の女生徒たちは正直げんなりしていたのである。







 そして、反旗を翻すかの如く、同じように真っ赤な靴を履いていた女子グループリーダーの靴が捨てられた。
 それは脅しに他ならない。
 『次はお前になるぞ』
 という。
 そしてさちこへのいじめは終わった。














 ―十年後―












 俺が、なぜそんなことを思い出しているかと言えば、久しぶりに開いた卒業文集のなかに彼女の名前がなかったからだ。
 それは不幸な事故とかそういった話ではなく、彼女の母親が玉の輿に成功したらしく、六年生の途中で引っ越してしまったからだ。
 俺は卒業文集を閉じる。
 今となっては良い思い出なのかもしれない。
 























 そして俺は、さちこの十五倍かわいくなかった女子グループのリーダーと明日結婚します。














 



















 俺が何を書きたかったのか、それは俺自身もわからない。
 ふと、赤い靴という言葉を思いついたとき、閃いた構想は怪談話だった。
 いじめられていた少女。
 川に捨ててしまった少女の赤い靴。
 ある時、川から拾い上げてしまったのは、いつか見た赤い靴で――――――
 なんてものを考えていたのに、いざ書き上げたものはなんていうことはない、俺の大好きなハッピーエンドだった。





















 いや、ハッピーエンドかこれ?
 ちなみに、さちこは幸子です(笑)





 さっちゃんはね、さちこって言うんだほんとはね
 だけどちっちゃいから、自分のことさっちゃんて言うんだね
 痛い子だ、さっちゃん。


 さっちゃんはね、額に第三の目があるって言うんだ本当だって
 だから、みんなにはぶられているんだよ、
 厨二病、さっちゃん。


 さっちゃんはね、さちこって言うんだ、嘘だけどね
 エターナルフォースブリザード、
 さちこは死ぬ。




 






 追伸、今年二十歳になる人へ、この言葉を送ります。







ムラサキカガミ
気になった人は調べてみよう!
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2010-01-23 Sat 14:37 saaya_holic
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